組織DNAについて
組織DNAの概要
常に順風満帆であらゆる目標を達成する組織もあれば、何をやってもうまくいかない組織もあります。この差はなぜ生じるのでしょうか。
その答えを見つけるためには、組織DNAの内側に目を向ける必要があります。
組織DNAとは、組織の「人格」を定義する上での最も重要な要素の組み合わせを解明するものであり、組織のパフォーマンスを予測するものです。企業の計画および実行方法に関する長年の研究結果を生かし、ブーズ・アンド・カンパニーは組織DNAのフレームワークを開発しました。その目的は、結果達成を妨げるつぎのような障害を識別し克服するための、簡単で利用しやすい方法を組織に提供することです。
- 誰もが行動計画に賛成するが、何も変わらない。
- 意思決定を待っている間に機会を逃してしまう。
- アイデアは良いが、実現には至らない。
- 管理が細かすぎるか、全責任を負わされる。
- 業務と職務がかみ合わず、結果を出すことができない。
- もっと頑張ろうというモチベーションに欠ける。頑張る意味がない。
- 目標設定ばかりが先走っている。
- 適切な戦略と明確な実行プランはあるが、行動に移すことができない。
あなたの組織でこのような不満が聞こえるなら、組織DNAがお役に立ちます。
4つの構成要素
ヒトDNAを構成する4つのヌクレオチドのように、あらゆる組織DNAにも4つの基本的な構成要素があります。具体的には、意思決定権、情報活用、動機付け、組織構造です。これらの構成要素とその組み合わせが、組織の行動方法と結果達成の可能性を決定します。
- 意思決定権「エグゼクティブが10人も集まらなくては、日常的なビジネスの決断を下せない」: 組織に所属する一人ひとりが、常に基本的な意思決定と条件に応じた判断を行っています。たとえば、顧客に提示する見積価格の設定、限られた予算を割り当てるエンジニアリングプロジェクトの決定や、電話や電子メールで最初に折り返し連絡する相手の選択などです。このような意思決定の質と効率が、市場における組織の成功を左右します。意思決定権、つまり真の意思決定方法の根本的な仕組みが、組織の順調な運営、適切な新製品とサービスの市場投入のスピード、そして結果達成のために組織が費やすコストを決定するのです。そのため、意思決定権は機能不全組織が真っ先に取り組むべき構成要素であり、効果的な組織改革の第一歩でもあります。
- 情報活用「職務遂行に必要な情報活用を持っていない」:組織にとっての低質な情報活用は、人間にとってのジャンクフードと同じです。コミュニケーションの動脈をふさぎ、栄養価のないカロリーでシステムを肥大させ、栄養失調寸前の体に「十分な栄養を摂取している」と思い込ませます。また、低質な情報活用は、他のDNA構成要素(特に意思決定権とモチベーター)に多大な影響を与えます。すぐに利用できる正確な情報活用がなければ、意思決定者は迅速で賢明な市場活動ができず、社員は各自のパフォーマンスの適切な評価を受けることができません。
- 動機付け「ボーナスを支払ったのに、社員の仕事ぶりはまったく変わらない」:モチベーターはお金だけではなく、社員の意識と意欲を高めるすべての目標、インセンティブやキャリアの機会を含みます。このような金銭的・非金銭的報酬は、組織目標と個人目標を同じレベルに位置づけ、それらの目標達成のための真剣な努力を促進します。また、社員が私益よりも組織の利益を考えて行動するようになるという副次的な効果もあります。
- 組織構造「組織図はあるが、実際の仕事は組織図どおりには運ばない」:組織構造は、組織DNAの4つの構成要素の中で最も目立つもので、ほとんどの組織改革プログラムの開始点でもあります。ただし、組織構造は単なる開始点ではなく、他の3つの構成要素に関して行った選択の論理的な結果となるべきものです。重要性が高い上に、貧弱な組織設計は悪影響を及ぼすものの、組織構造はほとんどの組織改革活動の基盤というよりも頂点となるものです。
正しい価値観と正確な情報を備え、適切なインセンティブで動機付けられた優秀な人材が、「勝ち組」組織の原動力となります。基本的な課題は、4つの構成要素を連携させ、個人の利益と組織のアジェンダの方向性を一致させることです。
4つの構成要素は独立したものではなく、互いに依存しています。そのため、構成要素の一部またはすべてを変更するための手順は、一貫性を保ち、協調的かつ明確でなければなりません。たとえば、組織構造というひとつの要素の単独修正を試みると、他の3つの要素に悪影響を及ぼし、前進どころか組織を後退させてしまう可能性が高くなります。組織を正しく組み換える方法は、企業によって異なります。絶対的に正しい方法や、すべての企業に効く処方箋はありません。唯一のルールは、組織DNAの4つの構成要素を異なる目的で個別に利用するのではなく、相互に連携させて組織の難問を解決することです。
7つの組織タイプ
ブーズ・アンド・カンパニーは、組織改革の経験と、組織DNAの4つの構成要素が企業組織内においてどのようにポジティブまたはネガティブに機能しているかを調査した結果をもとに、組織を主な7つのタイプに分類しました。うち4つは不健全、3つは健全なものです。
パッシブ・アグレッシブ型
「誰もが賛成するが、何も変わらない」
一見穏やかでも、実際は波乱の多い組織です。重要な変革についてのコンセンサスは得やすいものの、その実行は困難を極めます。指導的立場にいる社員が妥協を決め込み、現場社員の根強い抵抗のために企業イニシアティブが暗礁に乗り上げるのが一般的です。上層管理者は、無関心な組織を目の前に、「のれんに腕押し」のむなしい現状を嘆きます。
フィット・アンド・スタート型
「全員に花を持たせるべし」
このタイプの組織には企業家精神あふれる有能で独創的な人材が集まりますが、共通の方向に向かって全員が力を合わせることは稀です。各自がさまざまなアイデアを実行に移せる、非常に自由な環境といえます。しかし、上層部の強力な指導と共通の価値観の基盤が欠けているため、イニシアティブは衝突や大失敗に終わるか、自然消滅してしまいます。その結果、組織が拡大しすぎ、コントロール不可能寸前の状態になります。
過剰成長
「古きよき時代と新たな時代が混在」
このタイプの組織はまさに破裂寸前で、その規模は本来の組織モデルをはるかに超えています。上層部が権力を握っているため、過剰成長組織は市場の動きへの反応が遅く、しばしば身動きが取れない状態に陥ります。この組織の真ん中にいる人々は、販売やポジティブな変化の機会を見出すことはあっても、アイデアの提案があまりにも困難です。トップダウン型の組織と意思決定の傾向が、根強く残っています。
管理過剰型
「何事も会社に任せるべし」
いく重もの管理階層があるため、「分析麻痺」状態になりがちです。管理者たちは全体像よりも細部に固執し、部下の仕事のチェックに余念がない一方で、新たな機会や脅威を見出すための努力を怠ります。多くの場合、官僚的で政治的な体質が顕著で、自発的な社員や結果重視型の社員のやる気をくじきます。
ジャストインタイム型
「チャンスをすかさずキャッチして大成功」
変化に対する準備が常に整っているわけではないものの、全体的な展望を見失うことなく、必要な時にはすばやく対応できる組織です。ジャストインタイム型の組織は、積極的な姿勢がオフィス全体に浸透し、創造的なアイデアを促進して、画期的な成功を遂げることも頻繁です。ただし、最も優秀な人材が燃え尽きてしまう可能性もあります。一貫的で秩序だった組織構造とプロセスがないため、競争優位性を保てずに「一発屋」に終わることも多く、健全な組織の維持が課題になります。
軍隊型
「編隊を乱すべからず」
各自が自分の役割を認識し、熱心に働き、スムーズで一貫した実行力を発揮します。軍隊型組織は階層的で、厳密にコントロールされた管理モデルのもとで運営されており、同種の大量業務を効率的にこなします。マニュアルにあるすべてのシナリオを組織全体で練習しているため、すぐれた戦略を考案し、繰り返し実行できます。しかし、予想外の出来事にはなかなか対応できません。
レジリエント型
「いつも前向きがモットー」
利益、有能な人材、社会的尊敬のすべてを簡単に手に入れるため、羨望と嫉妬の的になる組織です。成績がよくスポーツ万能のクラスの人気者のように、レジリエント型組織は成功を約束されているような存在で、常にフル回転しています。このタイプの組織は柔軟性に富み、前向きで明るく、チームプレイヤーが集まります。どんな会社にもつきものの障害に突き当たることもありますが、すぐに回復し、経験から学びます。レジリエント型組織はプレッシャーに屈せず、次の競争や市場革新の機会を常に探しているため、すべての企業プロフィールの中で最も健全といえます。
組織DNAの世界的な調査
産業、業種、国/地域別の最新の調査結果の詳しい報告書をダウンロードする
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組織DNAの基盤を形成する研究の原動力となるのは、経済理論と確かなデータに裏付けられた経験です。ブーズ・アンド・カンパニーは、長年にわたり、クライアントの組織の問題解決を支援してきました。その結果、組織の機能不全、その原因と解決方法についての確固たる見解を確立しています。この経験を組織経済に関する最近の学問的研究と組み合わせることにより、Org DNA Profiler®という評価ツールを完成させました。
2003年12月から2005年1月にかけて、このウェブサイトの30,000人を超える利用者の方々が、Org DNA Profiler®調査に自発的に協力してくださいました。さらに、一般企業および非営利団体との協力を促進するために設置したクライアント専用サイトで、8,000件を超えるプロファイルが作成されました。それぞれのクライアントのためにパスワードで保護された調査サイトを作成し、組織の問題に関する情報を収集して分析しました。一般向けサイトと企業専用サイトの両方で匿名回答を徹底しており、会社名や個人名を要求することも公開することも一切ありません。また、収集したデータは分析と比較以外の目的には使用しません。
Org DNA Profiler®データベースは、幅広い産業、地域と組織を網羅しています。また、銀行、輸送、エネルギーなどの24の産業と、人事、情報テクノロジーや法務などの10種類を超える社内部門および職務をカバーしています。さらに、経営陣や管理職など、社内の役職や地位に関連したデータも揃っています。
2004年には「国」のフィールドを追加し、ロケーション情報の収集を開始しました。現在、100ヶ国以上の国々からプロフィールが送信されています。また、調査用ウェブサイトはドイツ語、日本語と中国語を含む12ヶ国語に翻訳されています。Org DNA Profiler®を使って収集したデータは、グローバル組織の非常に広範な断面図に基づくもので、結論を導出するための確実なデータセットを構成しています。以上の調査結果の詳細については、このサイトの調査結果の部分をご覧いただくか、グローバル調査報告書をダウンロードしてください。
結果の創出
ゲーリー・ニールソンとブルース・パスタナックは、ブーズ・アンド・カンパニーの50年以上のコンサルティング経験と、30,000件もの回答を集めたOrg DNA Profiler®データベースを活用して、組織化により結果を創出する方法についての本を執筆しました。2005年秋に刊行予定のRESULTS: Keep What’s Good, Fix What’s Wrong, and Unlock Great Performanceは、他の組織が行動を開始する前に特定の組織が勝利を収める理由を説明したものです。
本書は、組織DNAの概念と調査結果とともに、パッシブ・アグレッシブ型、フィット・アンド・スタート型、過剰成長型、管理過剰型、ジャストインタイム型、軍隊型とレジリエント型の7つの組織タイプについて説明し、ケーススタディとして実際に具体的な例を挙げながら、これらの企業がどのように弱点を克服したかを紹介しています。ケーススタディには、キャタピラー、フェデックス、日産、クエスト・ディアグノスティックス、セブン・イレブン、シマンテック、そしてスペシャルオリンピックスなどの企業が登場します。
RESULTSは、共通の目標と戦略に向かって組織をまとめる方法についての革新的で実際的な洞察結果を提供します。また、CEOからフロントライン管理職にいたるまで、あらゆる立場の人々に便利で実行可能な手引きと貴重な情報源を与えてくれます。
本書は今すぐご注文いただけるほか、目次と第1章をご覧いただくこともできます。
ブーズ・アンド・カンパニーの支援方法
企業の成功と失敗にはそれぞれ理由があり、偶然の産物ではありません。結果達成能力は組織設計の結果であり、改善が可能です。
ブーズ・アンド・カンパニーは、世界6大陸に3,300人超の社員を擁する世界屈指のマネージメントコンサルティング企業であり、効果的な実行を妨げる組織の一般的な障害の識別、診断と解消において一流企業、政府機関と非営利団体を支援するためのさまざまなサービスを提供しています。経営陣の啓蒙から大きな変革のための動機付けまで、あらゆる組織の目標達成をお手伝いします
たとえば、上層管理者向けのファシリテーター主導型1日ワークショップを通じて、組織DNAの識別と改善のための機会をクライアントに提供しています。10名から100名以上の最高幹部、部門責任者とスタッフリーダーが会場に集まり、Org DNA Profiler®を使って、組織のパフォーマンス向上の障害となる弱点を見出し、それを克服するための持続可能なプログラムとプロセスを開発します。組織DNAワークショップと関連サービスについては、組織を改善するためにをご覧ください。
ブーズ・アンド・カンパニーの詳細については、弊社ウェブサイトhttp://www.booz.com/jpをご覧ください。
組織DNAの資料と関連トピックについては、ライブラリーをご覧ください。